先日、大阪へ帰省し、父と久しぶりに食事をする機会がありました。
何気ない会話をしながら食事を楽しむ、その時間は私にとって何よりも大切なひとときでした。
食事の中で父は、「長いこと会っていないから、孫娘に会いたいな。来年は会えるかな。」と、嬉しそうに話していました。
その何気ない一言を聞きながら、私は改めて、家族と過ごせる時間は決して当たり前ではないのだと感じました。
その時間を過ごしながら改めて感じたのは、相続とは単に財産を分けることではなく、家族の関係をどう守るかということです。
- 本題:「兄弟で相続の話し合いが進まないとき、一番大切なこと」
「兄とはもう話したくありません。」
私はその言葉を否定しません。
まずは、そのように思うまでの経緯を静かに伺います。
相続では、不動産そのものよりも、ご家族それぞれの思いや長年の感情が重なり、話し合いが難しくなることがあります。
多くの人は「誰が多くもらうか」で対立しているように見えます。しかし実際には、「長年のわだかまり」や「親への思い」、「感情のすれ違い」が原因になっていることが少なくありません。
「ご両親は、残されたご家族に何を願っておられたのでしょうか。」
相続では、財産以上に感情が問題になることが少なくありません。
だから私は、すぐに売却方法や手続きのお話をすることはありません。
むしろ、ご家族の本質がどこにあるのかを考えます。
- 私が最初にすること:「まず、お一人お一人のお気持ちを丁寧に伺います。」
「あなたは何を希望されているのですか。」
「今回の相続に関して、何が不安なのですか。」
そして、その問いかけを聞くと、
『両親からとても寵愛を受けていたし、両親のためにどの兄弟よりも、十二分に親孝行してきたし、お世話してきた。だからこそ、ご自分の取り分は少なくともどの兄弟よりも多いはずだ。』等という言葉を投げかけて来られます。
私は「誰が正しいかではなく、どうすれば家族全員が前へ進めるのか」を考えます。
- その背景に何があるのだろうか?
その背景を知ることが、本当の解決への第一歩だと考えているからです。
『今までうまくいってきたが、独立してから仕事がうまくいっていないから、—。』
『息子や娘にお金がかかるから、—-。』
『妻の方の両親が重篤な病気だから、—。』
——(中略)—–
そこでお一人お一人の思いや考えを丁寧にお聞きした上で、皆様にいくつかのご提案を差し上げます。
決してそれぞれの事情を比較するのではなく、それぞれのお考えに真摯に向き合います。そして、そのうえで皆様にお尋ねします。
『亡くなられたご両親の想いはどこにあったと、お考えですか?』
勿論、そのご両親こそが残された遺族の皆様、一人一人を愛してこられたに違いないでしょうから、ご両親の代弁が出来ないかと真剣に考えます。
不動産会社の役割は売買だけではなく、話し合いの土台づくりにもある、と私は考えています。
- まとめ:「真実を語り、お客様の信頼を守る。」
相続は、一生のうち何度も経験するものではありません。
だからこそ、一人で抱え込まず、信頼できる人と一緒に考えることが大切です。
私はこれからも、
「真実を語り、お客様の信頼を守る。」
その想いを胸に、ご家族一人ひとりに寄り添ってまいります。
もし今、ご家族との話し合いが進まず、一人で悩んでおられるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
まずはお気持ちをお聞かせいただくことから、一緒に考えていければと思っています。
森下 猛